「すまんな、2人とも…」


謝ってきたのは親父さん。


申し訳なさそうに頭を下げていた。


「頭、頭を上げてください。一刻も早く、希を助けないと、また…」


それ以上は何も言わなかったが、誰もが分かっているようで、誰も喋る事はなかった。


その沈黙を破ったのは、親父さんだった。


「ところで、希の居場所が分かった、と聞いたが?」


「…あ、はい。繁華街から東に少し離れたビル街の一角に建ってる5階建てのビルです」


なるほどな、と頷く親父さん。


「あそこ一帯は鬼塚組が占めてる所だな」


「あぁ、場所が分かったのなら、後は乗り込むだけだな。清羅、組員に伝えてこい。明日突撃だ」


「はい」


明日、希を助けに行く。


ー蓮華side endー