家に帰った僕達は竜さんに報告した。
その時の竜さんは、龍神の総長と沢神組の組長だった。
だから、両方の力を使って探させた。
でも、どこにもいなくて…
誘拐。
誰もがそう思ったはず。
光輝の家に連絡しても誰も出なかったらしい。
光輝も一緒に誘拐された。
そう思っていたのに、翌日いつものように僕達を迎えに来た光輝。
「あ、おはよー!昨日勝手に帰っちゃってごめんね、おじさんに連れ戻されちゃってさ。あれ?希は?」
キョトンとする光輝に、僕達は詰め寄った。
「希どこ行ったか知らねぇか!?」
「昨日のかくれんぼした時からいなくて!」
何を言ってるか分からないといった表情で見てくる。
「どういう事?希、いなくなっちゃったの!?」
この様子じゃ光輝も何も知らないらしかった。
その日も、次の日も、族と組のみんなで探した。
そして、希がいなくなって1週間が経った。
みんな、誘拐犯に殺されて、どこかに遺体は捨てられたのではないか、と思い始めた。
と、同時に、光輝がどこかに引越ししたらしい。
僕達に何も告げずに…


