あれは、今から5年前の話。
僕達はまだ小学生で、今みたいにケンカなんて出来なかった。
小さい頃からずっと一緒にいた僕達3人は、学校でも、家に帰ってからも毎日毎日常に一緒に居た。
他にも友達はそれなりにいた。
その中で、僕達と仲が良かったのが長谷川光輝。
詳しい事は知らないけど、知り合いのおじさんの所に1人でやって来てお世話になってるらしかった。
元々は清羅の友達で、たまに4人で遊んだりもしていた。
その日も4人で遊んでいた。
公園に集まった僕達は、かくれんぼをする事に。
ジャンケンで決まった鬼は、清羅。
「範囲は公園の中だけだぞ!」
「はーい!」
清羅は数を数えて、僕達3人はバラバラに隠れた。
そして、最初に見つかったのは僕だった。
「光輝ー!希ー!どこだよー!」
中々見つからないから、僕も一緒になって探した。
でも、どこを探しても見つからなくて。
そこにやって来たのは、
「お前らー帰るぞー」
陽も暮れ始めて、帰って来ない僕達を心配して迎えに来た翠さんだった。
その頃の清羅は泣き虫で、
「希がっ…いないよぉ…」
翠さんに泣きついていた。
泣きじゃくる清羅を宥める翠さんに、僕が事情を説明したんだ。
「一旦帰って頭に報告だ」
翠さんは清羅を片手で抱き上げて、空いてる方の手で僕の手を握ってくれた。
希が帰って来ないんじゃないかって僕も怖くて、気づかない間に震えていたんだ。


