「まぁ、何も知らねぇお前らの未熟さが迂闊だったんだよ」
その一言で、渡辺桐は涙を流し始めた。
「何も、知らないのに…俺っ、ひどいこと…」
今更気付いても遅いんだよ。
過去には戻れないんだから。
だから希だって苦しんでるんだ。
「俺達、希に助けてもらいました。だから、俺達も希を助けたいんです!希の過去に何があったのか、教えてもらえませんか!」
そう言ってきたのは黒戸蓮華。
俺を見てくるその瞳には強い意思が宿ってる。
他の奴らも目つきは真剣そのものだ。
「悠司、こいつらなら大丈夫だろう。聞いて軽蔑するようなら俺が殺ってやるよ」
春日さんがそこまで言うなんて。
「分かりました」


