「誰だお前、どこの奴だ」


空雅はこれでもかってくらい、睨みながら低い声で言う。


普通の人なら失神するレベル。


「あ、自己紹介がまだだったね。俺の名前は長谷川光輝(ハセガワコウキ)、君とは同い歳だよ、よろしくね鷲見空雅君」


そう言って、ニコッと笑ったその表情には少し挑発的な笑みが含まれていた。


長谷川光輝。


一重の黒い瞳、くせのついた少し長めの黒い髪、170は軽く超えてるスラッとした身体。


世間から見たら、イケメンの類に入る。


歳はあたしの1つ下で、清羅と元同級生。


そして………………あたしの闇を作った張本人だ。


「どうして俺の事知ってんだよ」


「そりゃ、希の大切な仲間の1人だ、知ってるに決まってるじゃん」


意味が分からない。


どうしてあたしの大切な仲間を、こいつが知ってる必要があるんだ。


「お前は希さんの何なんだよ、答え次第で俺はお前を殺る」


空雅…


目つきが本物だよ、空雅だけじゃなく他のみんなもそう。


「質問の仕方が間違ってるよ。俺は希の何でもない、希は俺の''もの''なんだから」


っ…


''もの''


思い出したくもない事がフラッシュバックしてきて、怖くなる。