しばらくして、あたしは泣きやみ、ゆっくりと清羅から離れた。


清羅のシャツには大きく涙のシミが出来ていた。


「ごめん、清羅…」


「本当に、良かったのか?」


良いわけないじゃん…


しょうがないんだよ…


こうするしかないから…


「…うん」


するとその時、屋上の扉が開いた。


「終わったよ」


姿を現したのは悠司だった。


終わったって、何が?


「退学の手続き」


え…?


「ごめん希、もう少しここにいる予定だったけど、状況が変わった」


状況が、変わった?


「何が、あったの…」


恐る恐る聞くと、2人して言いずらそうな顔をする。


「あいつが、すぐ近くまで来てる。」