この中で佐賀を殺れるのは俺しかいない。
希達には手を汚して欲しくないからな。
「どこに逃げるんですか?」
俺が後ろからそう言うと、ビクッと肩を震わす佐賀。
ゆっくりと振り返る佐賀の表情は、恐怖に歪んでいた。
体もガクガク震えている。
何を今更震えてんだよ、こいつは…
「どこまでも卑劣な人ですね、自分だけ逃げようとするなんて」
俺は一歩ずつゆっくりと距離を詰める。
「来るなっ」
佐賀も俺に比例して一歩ずつ下がっていく。
でも、佐賀の後ろは壁。
もう逃げられない。
俺は佐賀のこめかみに懐から取り出した銃を押し付けた。
「や、やめろっ」
恐怖に歪んだ顔、震える体。
「あなたはどれだけこうして人を殺してきた?やめろと縋る奴を見て笑って見捨ててきた奴は誰だよ!」
俺は、お前と同じ事をしてるだけだけど?


