女子達が前に立ってて、あたしは座り込んでる。


だから誰が来たのか全く見えない。


でも、振り向いた女子達は青ざめた顔をしてる。


「へ、平次(ヘイジ)君…」


足音はこっちに近付いて来る。


そしてあたしが見える位置まで来ると、目を見開いて立ち止まった。


ボロボロなあたしを見て驚いてるんだろう。


「へぇ、1人の女の子をみんなでいじめてたわけだね?」


冷めた言い方をする彼に、女子達は


「別に、いじめてたわけじゃないのよ」


「そうそう、こいつがいけないの」


「だって、月影を裏切ったんだよ?」


って、口を揃えてあたしが悪いようにする。


でも、彼はニヤッと笑った。


それを見たあたしは嫌な予感しかしなかった。