『久しぶりだね、希』
…っ!?
この声は!?
電話越しでもこの声の主が分かってしまった。
あたしは息を呑んだ。
「どうして…」
顔が強ばっているのが自分でも分かる。
それに、みんなのあたしを見る表情が不安そうで…
『どうしてって、君は僕の大切な玩具なんだ。ずっと探していたんだからね』
大切な、玩具。
あたしの頭の中で、嫌な映像がフラッシュバックしてくる。
"…やだっ"
"やめてっ"
『近々、迎えに行くから、待っていてね』
そこで電話は途切れた。
あたしは固まったまま動けないでいた。
"あいつ"が、やって来る。
"来ないでっ"
恐怖でわなわなと震える体。
ダメだ、こんな所でこんな姿…
みんなを心配させてしまう…
今は佐賀組との戦いに備えいといけないのに…
そう分かってはいても、震えはとまらない。
その時…
ガラガラッ
倉庫の扉が開く音がした。


