すると、空雅はニヤッと笑うと、壁を蹴って飛び上がるとあたしの後ろに回り込んだ。
「なっ!?」
あたしは素直に驚いた。
まさか、飛び越えるなんて…
余程、鍛えたんだろうな。
代が変わるのも、そろそろか……
「終わりです」
後ろの空雅が殴る構えをとるのが分かる。
…でも、まだまだだね空雅。
パンッ
空雅の気配が遠のく。
撃ったのはあたしじゃない。
「さすが空雅」
振り返ると、向こうの方で微笑んでいる悠司。
そう、撃ったのは悠司。
「もう少しで希さんに勝てたのに」
空雅が拗ねた。
「事が落ち着いたら本気で相手してやるよ」
あたしがそう言うと、パッと満面の笑みを浮かべて
「本当ですか!?絶対ですよ!」
駆け寄ってくる。
…この変わり様、何だよ。
そんなにあたしに相手にしてもらいたいのか…
「あぁ。その前に、当麻の仇だ」
「はい」
真剣な目でそう頷いた。
コロコロと表情を変えて、忙しい奴だな。


