心配だった俺らはその日の放課後、菊の家に行った。
「菊ー大丈夫?」
部屋の外から呼んでも返事はないから、寝てるんだと思った。
だから、一目だけでも見て帰ろうと思ってドアを開けたらベッドに横たわってる菊。
右手には血のついたカッター、左手首からは血が流れていた。
「「菊!?」」
意識がなくて、急いで救急車を呼んだ。
発見が早くて、傷も浅かったから命は助かった。
でも、その日から菊は笑わなくなった。
毎日2人でお見舞いに行ったけど、菊は感情が無くなってしまったみたいに、いつも外ばかり見ていて俺らを一切見てくれなかった。
俺らは何度も挫けそうになったけど、また笑ってくれるって信じて毎日毎日お見舞いに行った。


