「立て」
すでに両手を封じられた遠藤は大人しく立ち上がる。
「遠藤…」
後ろを向けて歩いていくのを呼び止める。
「まずは、ちゃんと罪を償え、それから先の事を考えろ」
立ち止まったが振り返ろうとしない遠藤の肩はかすかに震えていた。
「それでも分からない時は、あたしの所に来い」
遠藤は何も言わず、出て行った。
倉庫の中には、紅蓮達とあたしと銀。
空雅達は警察の手伝い、悠司は父さん達に報告しに外に出てるんだろう。
静寂に包まれる倉庫。
それを破ったのは、蓮華だった。
「何でお前は、総長が撃たれたのに、そんなに冷静でいられるんだ」
それはあたしじゃなく、銀に向けたものだった。
あたしは意識が飛びそうになるのを必死に堪えていた。
止まることを知らないあたしの血は、どんどん体から逃げていく。
立っている所には血溜まりが出来ている。
「金がそのくらいで死ぬわけねぇって信じてるからだよ」
そんな事言われたら死ねないじゃん…
「それは俺だけじゃなく、龍神の奴ら全員が思ってる」
フッ
こんなにいい奴ら置いて、死ぬわけにはいかない…
だから、今は寝かせろ……
「銀、もう…」
あたしが声を絞り出すと、全てを分かってくれた銀が、
「後は任せろ」
そう言ってあたしを抱き上げたのを最後に、あたしは意識を飛ばした。


