紫龍が半分以下の人数になった時、あたしの携帯が鳴った。
清羅だ。
「着いた?」
『あぁ、倉庫近くに隠れてる。そっちはどうだ?』
「もうすぐ終わる」
『分かった、遠藤組が突入次第俺らも後ろから行く』
「了解」
電話を切ったあたしは、持ってきていた黒のスキニーに黒のパーカーを羽織る。
そしてウィッグを外し、フードをかぶる。
下の状況を見ると、紫龍の下っ端は誰1人立っていない、無事なのは総長の池上だけだ。
紅蓮はほとんど残っている。
蓮華達は戦ってもいない。
「勝負はついた、諦めろ」
池上はニヤニヤしたまま動かない。
……来る。
パァンッ
突然響く銃声。
その音と共にぞろぞろと入って来る遠藤組の組員達。
紅蓮の奴らの顔が強ばっていく。
「終わり?違うよ、これからが始まり」
1人で笑ってる池上に、ニヤニヤしてる組員達。
そして、その間から1人、先頭に歩いてきた。


