そして、哲に正面から向き直って、
「あたしはやってない、って言っても信じないだろうけど。姫は辞める、もうここへは来ないし学校でも話しかけない。それでいい?総長さん」
最後に、にこっと笑って言ってやった。
一瞬怯む哲だけど、すぐに鋭くあたしを睨んで。
「あぁ、言った事忘れんなよ?」
忘れるわけないじゃん。
自分で言った事だし、物覚えはいいから。
「さよなら、月影の皆さん」
あたしがそう言うと、千歳が何か言いたそうだったけど、にこって笑うと大人しくなった。
そしてあたしは、走る事もせず、歩いて家まで帰った。
あーぁ、潜入作戦失敗かぁ…
やっぱり見張り作戦だな。
今夜から、って言ってもさっきの事があるし、明日からかな…
よし、帰って寝よっと!


