「そいつは、全国No.3である月影の姫を独占しようと、貴子に暴力振るって辞めさせようとしたんだ」
…あ、そういう事。
あたしが姫になるのが嫌だった貴子が、自作自演してあたしを追い出そうってことか。
ここまで分かっちゃうあたし、頭良いわ。
あたしと仲が良かった下っ端達は、下唇を噛み締めていたり、信じられないような顔をしていた。
まぁ、任務って事はバレてなさそうだから、とりあえず安心。
もしバレたら……考えただけで恐ろしい。
「希ちゃんが、暴力?いつやったんだよ!」
千歳、怒りからか口調が変わってる。
そして、泣いてる貴子がこっちを見て、
「さっき…HRが、終わってすぐ…呼び出されて、それでっ…」
「もういい貴子、喋るな」
フッ
全く、被害妄想もいい所だよ。
あたし、貴子なんか呼び出してもないし。
てか、HR終ってからずっと千歳と一緒に居たし。


