「その時の担任がさっき一緒に居た奴」
あの人が…
「ありがとう洋介、話してくれて」
思い出すのも嫌な過去なのに。
すると、顔を上げた洋介は
「こっちこそ、ありがとな。何かスッキリした」
吹っ切れたような顔してる。
良かった…
「お前…いや、希なら信じられるって思ったから」
「洋介…」
初めて名前で呼んでもらえた……
それだけで、あたしと洋介の距離が縮まった気がした。
「希と手繋いでると安心する」
「なにそれ」
そう言って笑うと、照れたのか手を離して立ち上がった。
「ほ、ほら、帰るぞ」
「あ、ちょっと!」


