龍神×紅蓮



1歩1歩近付いてくる洋介のお母さん。


でも洋介は、震えながら後ずさりしている。


「……なっ!」


「え?」


思わず足を止めた洋介のお母さんの顔は驚いている。


「来るなっ!」


洋介はそう叫ぶと、走ってどこかに行ってしまった。


「洋介!」


あたしが呼び止めても、聞かずにどんどん走って行く。


だからあたしは、洋介のお母さんに向き直って


「あたしは何があったか知りません、でもあなたのせいで洋介が傷ついてるのは分かりました。今日はお帰り下さい、また後日お伺いしますので」


強くそう言って洋介の後を追った。