「じゃあ、海に行くのは5日後ね」
全部聞こえていた颯斗がそう言った。
5日後ね、OK。
それまでに水着を買いに行かないと…
「洋介、いつ水着買いに行く?」
洋介に話を振ると、洋介は嫌そうな顔をして颯斗を睨む。
「最終的には洋介が選んだんだから、俺を睨むのは間違ってるよ」
にこにこしながら言う颯斗に悪意を感じる。
「あ、どうせなら今から行って来たら?今なら人は少ないんじゃない?」
確かに。
平日だし、今なら学校や仕事の時間帯。
「よし、今から行こ!」
「はぁ?俺はっ」
ごちゃごちゃ言ってる洋介を無理やり引きずって倉庫から連れ出す。
「早くバイクとってきて」
倉庫から出た所で、掴んでいた手を離してそう言った。
「だから俺は行かねぇって…」
「ふ〜ん、じゃあ颯斗らと行って女の子に囲まれながら買い物するんだぁ」
軽く脅すと、真っ青な顔になった洋介は舌打ちしてバイクを取りに行った。


