「希、来い」
ちょっと不機嫌な清羅。
人気者の清羅があたしを呼ぶから周りの視線が痛い。
「あ、清羅君だ」
椿はのんきに笑顔で手を振っている。
それに対して清羅は、小さく頭を下げる。
強さ的には清羅の方が上だけど、年上を敬うという気持ちはあるそうだ。
なのに、
「父さんが呼んでんだよ、早くしろ」
姉を敬うという気持ちはないようだ。
呼んでるのは父さんかよ、何で清羅に頼んでんだよ、電話でいいじゃん。
「はいはい。じゃ、2人共またね」
洋介と椿に手を振って、大人しく清羅と一緒に帰る。
あたし達が姉弟だって知らない奴らはコソコソ言いたい放題言ってる。
「何あいつ、紅蓮の姫だってのに清羅君まで手出してるよ」
「紅蓮の姫は、月影の事があったからしょうがなくしたんじゃないの?」
全部聞こえてるっつうの。
それは、学校を出るまで続いた。


