すると、桐はもちろん、椿も固まった。


あ、あと1人、離れた所で電話してる奴も固まっていた。


お前もかよ!


「まぁ、テストは明日からだけど、頑張ってね〜」


あたしは、ニコッと笑って立ち上がる。


「帰るの?」


颯斗が面白そうに笑ってそう言った。


「うん、またね」


手を振って部屋を後にした。


出ると下はワイワイガヤガヤ。


「あ、希さん!お帰りですか?」


あたしが階段を降りると、羽季(ウキ)が駆け寄ってきた。


羽季は、下っ端の中でも1番強くて下っ端内のリーダー。


あたしが姫になるって挨拶した時、命に代えても守らせてもらいます!って言ってくれた子。


赤髪の羽季は、蓮華に憧れてるらしい。


そういえば、空雅もあたしに憧れて金髪にしてるし、どこの族もそうなのか?


「うん、帰るの」


「送りましょうか?」


「いや、大丈夫。またね」


羽季に手を振って、倉庫を後にした。