「本当に希ちゃんに助けられちゃった」


駅への帰り道、颯斗がボソッと呟いた。


「勝手な事してごめん」


「謝らないで?今言ったでしょ?助けられたって、こっちがお礼言わないと、ありがとう」


そう言って微笑む颯斗。


その笑みは前と違って、スッキリしたように見えた。


「とはいえ希ちゃん、最初から全部知ってるようだったけど、どうして?」


ギクッ


痛い所をつかれた。


「あ、あの…ごめん!悠司のお父さんに頼んで調べてもらったの」


間違ってはいない。


自分で調べたって言ったらどうなるか…


想像しただけで怖い。


「あぁ、警視総監の」


「そうそう!」