私は忘れてたんだ。


屋上はあいつらの――・・・雷龍のたまり場だってこと。


屋上に行ってドアに手をかけた時。


「愛弥ちゃん最近いじめられてない?」


っ!そうだ。ここは雷龍のたまり場じゃん。


この声は雷龍のかわいい系男子、川合想羽―Sou Kawai―。

「あのね・・・たまにね、目が合うとね、睨んでくるの・・・。それでね、トイレとかで2人しかいない時とかはね・・・。・・・っ・・・雷龍の姫、辞めろって言われるの・・・。」


は?なに、それ?そんなことやってないよね?なにいってんの?


意味わかんない。


「!まだ咲坂さんは愛弥さんの事を虐めてるんですか!」


この敬語は、副総長の横山慶―Yokoyama Kei―。


「あいつまだこりてねぇの~?1回しめといた方がいんじゃね~?」


このチャラ男が緑川拓哉―Midorikawa Takuya―。


「俺達がわざわざやらなくても女子たちが勝手にやるからいい。お前らはなんにもやるな。それよりも愛弥を守れ。」


こいつが総長の新崎蓮―Arasaki Ren―。


私の元カレ。


「ちぇ。わぁったよ。俺らから手出さなきゃいいんだろぉ~?」


・・・・・・。


なんか死のうとしてたの馬鹿らしくなってきたかも。


だってさ?


感情を消せばいいんじゃん?


それなら、感情に蓋をすればいい。


そうすれば、傷つかないもん。


なんで気づかなかったんだろ。


簡単なことなのに。


私は死ぬのをやめ、変わりに感情を無くした。