「ごめんね?急に抱きしめたりして。・・・怖かったよね。」
そう言って微笑んだ真琴。
「・・・うん。」
「音羽ちゃん。感情が・・・分からないってどういうこと?」
「・・・」
私は俯いた。
「無理して話さなくていいよ。・・・でもね、ここにいるみんなは音羽ちゃんを救いたいって思ってるんだよ。」
「・・・」
私は靴を脱いでソファの上で体育座りをした。
そして、顔を膝にうずめる。
「ごめんね。こんな事言って。話せるようになったらでいいからね。俺らは待ってるからさ。」
真琴の優しい声が聞こえる。
「・・・私を救うの・・・?無理、だよ。」
「どうして?」
「だって・・・私のこと信じたらみんな・・・死んじゃうんだもの。」
最後はとてもとても小さな声だった。だから、みんなには聞こえない。
「え?ごめん、最後なんて言ったの?」
「・・・ううん。なんでもないよ!」
そう言ってニコッと笑った。
「そう?・・・ならいいんだけど。」
「うん!」
「音姉、作り笑いしないで?」
羽紅が悲しそうな顔をしながら言う。
「・・・ごめん。」
私は目を伏せる。
