ガチャ
幹部室のドアを開けて中に入る。
「あ、音ちゃん帰ってきた〜!ねえねえ、トランプやろ〜」
「・・・ごめん、涼ちゃん。今日はもう帰るね。」
「え〜・・・。まあ、もう9時だしね。じゃあさ、今日は僕が送るよ!いいよね?陸!」
「ああ。」
「やったぁ!音ちゃん帰ろ〜!」
「・・・うんっ!」
私はニコッと作り笑いをして涼ちゃんの方へ行く。
ドアから出ようとしたとき、
ガチャ
ドアが開いて、中に入ってきたのは羽紅。
「あ、羽紅!音ちゃん帰るんだって〜!だから、僕送ってくるね!!」
笑いながら涼ちゃんが羽紅に言う。
「おう。」
羽紅はそれに対して、少し素っ気なく答える。
「羽紅、ばいばい!」
私は作り笑いでそう言った。
羽紅は一瞬眉間にシワを寄せたけれど、すぐにいつも通りに戻って、
「音姉、ばいばい!涼都に気をつけろよ!」
なんて言ってた。
「ちょ、羽紅!!なんで僕に気をつけるのぉ!?」
「は?涼都はあぶねえだろ?」
「危なくないよ!!もう!羽紅のバカ!音ちゃん帰ろ!」
そう言って涼ちゃんは私の手を掴む。
「っいや!!」
その手を咄嗟に振り払う。
「え・・・音ちゃん?」
みんなが私の方を見る。
「あ・・・ごめん、なさい・・・。ただ・・・ただ、怖くて。急に、触られたから・・・。」
「大丈夫だよ、音ちゃん!急に触ってごめんね?行こ!」
笑いながら涼ちゃんが言う。
私は涼ちゃんの後に続いて部屋を出た。
