「なんでそんなこと聞くんですか?・・・総長たちが姫にするって言ってるんだから、反対なんてしないですよ。」
下っ端くんはそう言った。
「なんで?あなた達の仲間になるんだから、あなた達が決めていいんだよ。・・・総長が言ったからとかは関係ない。自分の意思を言って。」
「・・・そう、ですね。俺、反対してました。」
やっぱり。ダメだよね。私なんて、雷竜の元姫だったし、汚いし。
「でも、今の言葉を聞いて、俺は音羽さんを信じようと思います。」
「っ!!それって――・・・!」
「はい。姫になることを認めます!」
「俺も・・・!俺らも認めますよ!」
さっきまで反対していたと思われる人たちがみんな賛成してくれる。
「っありがとう!!」
「フッ。良かったな、音羽。今日からお前は青嵐の姫だ。」
「みんな、よろしくね!」
私はそう言った。
満面の―――作り笑いで。
きっとみんなは気づいてないだろう。
そう思ってた。
だから、私は気づかなかった。
羽紅が眉間にシワを寄せて私を見ていることに。
