Truth princess or untruth princess



私はHRが終わるとともに、いつも通り旧美術室に行った。


なんでか分からないけど、この教室は落ち着くんだ。


なんでだろ?


なんか空気が好きなんだ。


それに、ここには誰も来ないから。


その日もいつも通りこの教室で1人でも過ごすはずだった。


けど。


ガラッ


勢いよくドアが開く。


なんで?


どうして人が来るの?


開いたドアの先にいたのは・・・。


羽紅達だった。


羽紅と転校生の2人とクラスには来なかった人。


この人たちは誰?


どうしてここにいるの?


なんでここに来るの?


羽紅が来たら私・・・


私・・・。


昔が、あの時が鮮明に頭に蘇る。


いやだいやだいやだいやだ。


もうやめて!!


思い出したくないの!


・・・羽紅に私だと気づかれたくないの!!


「あれぇ?だれかいるよぉ?どうするの?陸。僕はこの部屋がいいなぁ〜」


「あ?誰かいるのか?」


「・・・」


私は黙って立ち上がる。


俯いたまま。


私は絶対顔をあげない。


だって羽紅に気づかれたくないもの。


「この部屋を俺達に譲ってくれないかな?」


「俺もここがいい。」


「・・・いーよ」


私はそれだけ言って部屋を出た。


いや、出ようとした。


けど、出れなかった。


だって羽紅に腕を掴まれたから。