羽紅・・・。


羽紅は・・・


羽紅は・・・私の・・・


私の、双子の・・・弟なんだ。


でも、なんでここに?


わざわざ羽紅に会わないところを選んだのに。


どうして来てしまうの?


私のせいで・・・


私のせいで・・・!!


しかも羽紅は私の隣の席。


お前のせいだ!!お前さえいなければ!!


これはあのとき羽紅に言われた言葉。


私は・・・


羽紅が・・・


怖い。


怖くて、怖くて・・・手が震える。


昔の記憶が蘇る。


でも、ここは教室で。


取り乱すわけにはいかない。


ねえ羽紅。


あなたは私のことをどう思ってるの?


私は・・・あなたのことを・・・


弟とは思えないよ・・・。


だって。


弟っていうことよりも。


怖いという感情が勝ってしまうんだもの。


不思議だね。


感情なんてないはずなのに。


私は人が怖いんだ。


特に男の人。


その中でもね。


羽紅が怖いんだ。