夏の嵐と笑わない向日葵



「すごく、カッ……」

「向日葵??」


カッコイイと言おうとして、やっぱり無理だった。
恥ずかしすぎて、難易度が高い。


「草履、出しておくね」

「おう!明日、楽しみだな、向日葵」


そう言ってニカッと笑う嵐君に、ホッとする。
あの、微妙な空気がなくなったからだ。


「うん、楽しみ…だね」


良かった、今度は素直に気持ちを言えた。
嵐君となら、どこへ行ったとしても、きっと楽しいだろうから…。


そうして、あたしと嵐君は明日、浴衣を着てお祭りへ行く事になった。