夏の嵐と笑わない向日葵



「ありがとうございましたー!」


店員さんに見送られ、あたしと嵐君はお店の外へ出る。


「これじゃーアイス溶けんな。向日葵、食べながら行こーぜ」


嵐君はガサゴソとレジ袋の中をあさって、あたしに抹茶アイスを渡す。


棒型にしてて良かった。
歩きながら食べれるもんね。


「ありがとう。嵐君のも貸して?」


嵐君、レジ袋持ったままだから、空けるの大変だもんね。


あたしは抹茶アイスを口にくわえたまま、嵐君のアイスの口を開けてあげる。


あ、結局ローストビーフ味にしたんだ。


袋のパッケージを見て、小さく笑う。


「はい、どうぞ」

「お、おー、ありがとな」


嵐君は少し恥ずかしそうにあたしの手からパクリと、アイスをくわえた。



嵐君が恥ずかしそうにするから、あたしまで何だか変な汗をかいてしまった。