夏の嵐と笑わない向日葵



「また…会えるんじゃないかって…」


あたしは、少し違った。


あたしは、そんな確証のない奇跡を信じる事はできなくて、むしろその形見を見るのは苦しかった。


それでも、向日葵の世話をやめなかったのは…。


「…罪滅ぼしだった…」

「罪滅ぼし?」

「あたしは…不幸を呼ぶんだって…」


そう、親戚からも言われた。
あたしの身内が死ぬのは、あたしが不幸を呼ぶからだって。


「両親も、おばあちゃんも…あたしがいるから…。だから、これはあたしの罪滅ぼしのつもりだったのかも…」


もし本当に、あたしがいるから皆いなくなってしまったのだとしたら…。


そう思えてきて、いつしかあたしは、自分が自由になっちゃいけないような、おばあちゃんのしてきた事を、あたしがしなくてはいけないような気がしたんだ。


「向日葵が不幸を呼ぶなんて、そんなわけねーよ」

「でも、皆がそう言う。あたしも、そう思う…」


大切な人は、現に皆いなくなってしまった。