夏の嵐と笑わない向日葵




いっそ、全て枯らしてしまおうか。
そうしたら、こんな風に悲しくならないんじゃないかな。


その弱った向日葵の茎に手をかける。
それにゆっくり、力をいれていく。


「ううっ……」


涙で滲む視界に、枯れた向日葵がぼやけていく。


簡単に奪えると思った。
一思いに握りしめれば、この向日葵は死んでしまうだろう。


なのに、どうしてこんなに涙は止まらないの。


力を入れるたびに、それが向日葵の悲鳴のように、あたしは嗚咽をもらす。


「向日葵、遅いから見に来た……って、何してんだ!!」

「っ……」


向日葵の茎を折ろうとするあたしの肩を、嵐君が掴む。