ジャーッ
照りつける太陽の中、向日葵達に水やりをする。
結局、食事中もボーッとしてしまって、箸を落としたりした。
今日も風にゆれる向日葵は、太陽を見上げている。
あたしの腰まである高さの向日葵。
そして、水まきの時に出来る小さな虹もいつも通りの光景。
それを見つめていると、あの時の光景をまた思い出す。
目の前に、中学生だったあたしと、おばあちゃんがいる。
『違う花は埋めないの?』
『そやねー、ここはずっと向日葵だけを植えようって決めてんよ』
背中の丸まったおばあちゃんに首を傾げるあたし。
『どうして?』
この時のあたしは、正直、向日葵なんて見飽きたって思ってた。
『あの子達が、いつ帰ってきても良いように…しとるんよ』
おばあちゃんの言う、あの子が誰なのか、すぐに分かった。
おばあちゃんは、お母さんとお父さんのために、ここを守って、待っていたんだ。


