あれはまだ、暑い残暑が残る8月後半。


一面に広がっていた太陽を仰いでいた 向日葵達は、輝く時間を終えて、くったりと暑い夏空の下に枯れ果てている。


畑の土に膝をついて、枯れた向日葵から種を収穫するおばあちゃんを見つめて、ずっと不思議に思っていた事を尋ねる。


「どうして、向日葵ばっかりなの?」


そんなおばあちゃんの隣に座って、あたしはおばあちゃんに尋ねる。


こんなに広い畑なのに、おばあちゃんは向日葵が枯れた後も、飽きずに収穫した種で向日葵を育てるんだ。


「あたたた、腰が弱くなって困ったねぇ」


おばあちゃんは腰を押さえて立ち上がり、あたしに収穫したばかりの種を見せてくれた。


「向日葵の花やからなぁ」

「??」


そりゃあ、おばあちゃんの持ってる種は、向日葵の花だけど…?


意味がわからなくて首を傾げると、おばあちゃんは可笑しそうに笑った。


「向日葵、の花って意味なんよ」

「あ……」


おばあちゃんはあたしを指さして笑う。


あぁ、そっか。
あたしの花って意味なんだ。