夏の嵐と笑わない向日葵



「向日葵……」

「だから、そう思えるくらい一生懸命生きている嵐君が、羨ましい…」


そうだ、あたしは羨ましかったんだ。


あたしには、そんな風に一生懸命になれるモノも、方法も分からないから。


「今からだって遅くねーぞ」

「え……?」


嵐君はガバッと起き上がり、あたしに視線を合わせた。


「向日葵は、卒業したら何すんだ?」

「??」


唐突な質問だな、と思った。
あたしは、嵐君の質問の答えを考えてみた。


卒業したら……。
あたし、どうするんだろう。


学校の子は、きっと進学したり、就職したり、色々考えているんだと思う。


だけどあたしは……。


「分からない……」


答えが見つからなくて、俯く。


あたしって、本当に「こうしたい」「これになりたい」とか、夢も希望も無いんだな……。


本当、空っぽだ……。