嵐君が家に来た次の日。
あたしと嵐君は、買い出しにスーパーへと来ていた。


「重いだろ、俺が持つって!」

「大丈夫」


あたしの持つレジ袋の中には、納豆パックやそうめんなどの軽いモノばかりだ。


なのに、さっきから嵐君はあたしから荷物を奪おうとする。
それをあたしが無視をするの繰返しで、家までの道を2人で歩く。



「やっぱ東京とはちげーな!」


しばらく歩くと、嵐君は辺りを見ながらそう叫んだ。
あたしはそれを無言で見つめる。


「建物が少ねーし、静かだし、何より空気がうまい!!やっぱ、田舎はい良いよな!!」


両手を広げて深呼吸する嵐君に、あたしは首を傾げる。


見るからに都会っ子な嵐君なのに、こんな田舎が良いの??
東京と違って、カラオケとかゲーセンとか、遊ぶところも無いけど…。



「って、おぉ!!」


すると、何か宝物を見つけたかのように目を輝かせて立ち止まる嵐君。


「どうしたの?」

「海じゃん!!やべー!!」


何がやばいのか分からないけど、嵐君が興奮してるのは分かった。