「仲良いんだな」

「………仲良い…とは少し違うかも…」


あたしも、ノラも……。
あの時、あの雨の日、一人では生きられなかったんだ。


あたしは失った温もりを埋める為に、ノラは命を繋ぐ為に、お互いの存在が必要だった。


「あたしは、ノラが必要としてくれる限り、傍にいるだけ…」

「ニャー…」

あたしはノラを撫でながら、目を閉じた。


「なんつー顔してんだよ」

「え……?」


嵐君の言葉に、あたしはまた目を開ける。
すると、なぜか切なげに見つめる嵐君と目が合った。


まるで、月のように明るい金髪が、夜風に吹かれてサラサラと揺れている。


綺麗だとおもった。



「まぁ、すぐに笑いすぎて腹筋割れるくらいにしてやるし!」


「…………それは嫌」



変な人だけど、もう少しだけ……話してみたいと思うほどには、この久我 嵐という男の子に興味がわいた。



嵐君は、今のあたしの生活を180度変えてしまうような、そんな予感をさせた。