「愛してる……向日葵だけを、ずっとな」

「嵐君だけを、愛してる」


何度言葉を重ねても、尽きる事はない不安と愛情。
この夏、あたしにとっては、全力で恋をして、愛を知った。


少し大人になった、そんな気がする。


「ん………向日葵…」

「んっ……」


キスの合間に囁かれる名前。


低くて、それでいて誰もを引き付ける意志の強い嵐君の声が好き。


太陽に透けるような、綺麗な金髪も、太陽のように笑う笑顔も、照れると前髪を弄る仕草も、すべてが愛しい。




嵐君の声も、笑顔も、仕草も……この目に焼き付けよう。



それで、今度会う時は、あたしが嵐君にもらったたくさんの幸せを、嵐君に返せるくらいに、成長したあたしになろう。


だから、あたしも待つよ、時が、季節が過ぎて、またあなたに会える日を。



そして、8月31日。
嵐君は、東京へと、帰っていった。
もちろん、ここへ来た時と同じように、船を使って。


それが嵐君らしくて、涙よりも笑顔で、嵐君を見送ることが出来た。