「……………」
「分かった、少し離れてる」
それでも何も言わないあたしに呆れてしまったのか、嵐君は立ち上がって、あたしから離れていってしまう。
「っ……!!」
声にならない声を上げて、あたしは嵐君の背中を見つめる。
行かないで。
本当は聞いてほしい事があるんだ。
嵐君は、東京に行ってもあたしを好きでいてくれる?
あたしも、嵐君が恋しかった。
伝えたい事は山ほどあるのに、どれも口に出来ない。
嵐君を引き留める術が、分からない。
せめて、手を伸ばせば良かった?
その手をつかむべきだった??
そんな事ばかり考えて、結局、あたしは離れていく嵐君の背中をただ見つめる事しか出来なかった。


