「どのみち、嵐がここにいるのは、夏休みの間だけ。なら、すぐに嵐も忘れるね、あなたの事なんか」
「っ!!」
嵐君は、もうすぐ帰る。
そして、あたしは嵐君の思い出になる……?
手が、体が震えた。
あたしは、両手を握りしめ、そのまま動けなくなる。
「あたしはずっと、嵐の傍にいられるもの」
愛美さんなら、嵐君の傍にずっといられる。
あたしは?
あたしは……ここから離れられない。
「全て捨てて嵐の傍にいる、そんくらいの覚悟も出来ないくせに、傍にいる資格なんてないから」
そう……だ。
あたしは、おばあちゃんの残したこの家を、お母さんとお父さんの為におばあちゃんが守ってきた向日葵畑を置いてはいけない。
それを置いていくなんて、皆を差し置いて生き延びたあたしには、出来ない。
あたしだけ……そうやってしたいように、自由に生きるなんて、絶対に…。


