夏の嵐と笑わない向日葵



一体何を……聞きたくないと思ってしまう。
だって、愛美さんが言おうとしている事はたぶん…嵐の事だから。


「嵐の事、あたしはずっと見てきたの、ずっと想ってきた」


ずっと想ってきた……。


あたしが嵐君を想うようになった時間とは、比べ物にならないくらい長いんだろう。


だって、どんなに頑張ったって、過去へは戻れない。あたしと嵐君が出会ったのは、本当についこの間なんだから。



「嵐、高校でも人気者なの。だから、嵐の1番になりたい女の子がわんさか嵐を狙ってる」


愛美さんは拳をギュッと握りしめ、俯く。


「ずっと……誰のモノにもならないように、あたしが傍にいたの!!あなたなんかにっ……」


本当に憎らしそうにあたしを見る愛美さんに、呼吸ができなくなった。


こんな風に、人から憎しみを向けられる事が、こんなに怖くて、苦しい事だと思わなかったから。