夏の嵐と笑わない向日葵



日も暮れている事もあり、明日、皆で海に行く事になった。今日は縁側でバーベキューをして皆で過ごす。


なんだか、こんなにたくさんの人に囲まれて過ごすのは不思議な感じ。


学校だって、たくさんの人がいるのに、あたしは誰にも話しかけようともしなかった。


だからか、どうやってこの中でどんな風に過ごせば良いのか、わからない。



「おーっ、肉、肉♪」

「啓、野菜も食べなよ」



縁側に座って肉ばかりを食べる啓さんとたもっちゃんさんに、あたしは思いきって声をかける。



「啓さんとたもっちゃんさんは、嵐君と同じ学校に通ってるんですよね?」


あたしの質問に、2人は驚いたように目を見開く。


あれ、あたしおかしな事を聞いちゃったのかな。
何がいけなかったんだろう?思い当たる節がない。


「ぎゃーっ!さんとか良いって!」

「プックク…たもっちゃんさん…言いにくくない?」


あぁ。
そうか、2人はあたしの名前の呼び方に笑ってたんだ。


「お、おかしかったですか?えと、それじゃあ啓…君とたもっちゃん?」


「あと敬語もなし!」

「はい、じゃなくて…うん」


啓さ……啓くんの指摘に、すぐさま話し方を直す。すると、2人は満足そうに頷いた。