夏の嵐と笑わない向日葵



「服装じゃなくて、雰囲気の事だよ」

「え……」


いつの間にか隣にいたたもっちゃんさんがそう教えてくれる。


わ、いつの間に隣に??
全然気づかなかった。


「お前ら、ずっと玄関にいんのもアレだし、早く上がれ」

「おー、もうすっかりここの住人だな!」


中に招き入れる嵐君に、すかさず啓さんが突っ込む。そんな啓さんを嵐君が有無を言わさず家の中へ引きずりこんだけど、皆の日常なのか、皆は見て見ぬふりだ。


「居間は、こっちです」


残されたたもっちゃんさんと愛美さんに声をかけて、あたしは二人を招き入れた。