夏の嵐と笑わない向日葵



「俺に、向日葵の事を守ってほしいって言ったんだ」

「え……?」


あたしの事を、どうして見ず知らずの嵐君に頼むの??
おばあちゃんは、嵐君のおばあちゃんと知り合いなだけじゃない……?


「雅子ばあちゃんは、俺が小さい時によく杏ばあちゃんに、会いに来ててさ、俺も可愛がってもらったんだ」


「あ、そういえば……」


あたしは、ふとおばあちゃんが聞かせてくれた話を振ってくる思い出す。



『杏(あん)言うてな、今でも仲良しなんよ。そんでな、そこのお孫さんも、向日葵と同い歳なんや』


「おばあちゃんが言ってた、同い歳の孫って…」

「それ、たぶん俺だな」


嵐君はそう言って笑った。


「そん時にさ、雅子ばあちゃんも向日葵の話をしてて、俺は、同い歳の会った事もない女の子に興味が湧いた。だから、今度来る時は、写真持ってきてって、頼んだんだ」


あ……。
そういえば、おばあちゃん写真の事、なんか言ってたような…。



『ーーーって言うんやけど、向日葵の写真見せたらな、一目惚れしおってん。ふふっ、そら可愛い笑顔やったからな』



写真のあたしに一目惚れした誰かの名前。
それは聞き取れなかったのか、忘れてしまったのか、分からないけど…。


もしかして、その一目惚れした人って…。


まさかなと、自分の浅はかな考えに頭をブンブンと横に振った。


そんなまさか、嵐君があたしに一目惚れするなんて、あり得ない話だよ。