レーザービームの王子様

「スーパーに、乾燥したものも売ってますよ」

「マジか……中華和えのはクラゲっぽいからクラゲって言ってるだけで、ほんとはクラゲじゃないんだと思ってた……」

「ふはっ。久我さん、クラゲ連呼しすぎ」



意外と子どもっぽい彼の言動に、たまらず吹き出した。

そして、ふと気付くと。なぜか久我さんが、そんな私のことをやわらかな表情で見下ろしていて。


──とくん。

心臓が、大きく脈を打つ。



「な……なん、ですか」

「いや。すみれが楽しそうだから、よかったなって」

「……!」



やさしい笑顔で彼が言うから、かあっと頬に熱が集まった。

……ここ、薄暗くてよかった。心の中で思いながら、さりげなく視線を逸らす。



「たの……しくない、ことは……ない、です。……えと、おいしいシュークリームに出会ったときの舘(たち)監督くらいには、テンション上がってます」

「ふっ。よく知ってるな、そんな小ネタ」



舘監督とは、久我さんが所属する東都ウィングスの監督のことだ。強面に似合わず甘い物が大好物らしく、特にシュークリームを食べているときの笑顔は胸きゅん必須と選手たちの間で話題を集めているらしい。

くつくつとのどの奥で笑って、久我さんが感心したように私を流し見る。