レーザービームの王子様

歩き出した久我さんに続いて、足を動かす。

さりげなく歩幅を合わせてくれているらしい彼に勝手に悔しくなりながら、ちらりと隣りを見遣った。



「で、久我さん。私たちはこれからどこに行くんですか?」



約束を取り付けた時点では、ごはん奢ってくれるって話だったけど。

ちゃんとオシャレして来いよ、なんて言われてたから、どんなお店に連れて行かれるのだろうと内心ハラハラだ。正直私、テーブルマナーとかよくわかんないし。



「んー、とりあえずメシは確定だけど……その前に、ちょっと付き合って」

「はい?」



謎な言葉が降って来て、思わず怪訝な表情を浮かべてしまった。

対する久我さんはそんな私の態度なんてお構いなしで、にっこり笑ってみせる。



「言ったろ。『デートだ』って」 



またもや彼の口から飛び出したその単語に、わかりやすく私の心臓がはねた。



「そん……っだ、だから、どこに、」

「まあ、それは着いてからのお楽しみってことで」



最後まで微笑みは崩さず言いきったかと思えば、それきり久我さんは閉口してしまう。

私はなおも言い募ろうと口を開きかけて、けれど何も言葉にできず。結局同じように黙り込み、ひたすら彼と並んで歩き続けた。

こっそり盗み見た右隣りの彼は、無言ではありながらどこか楽しげで。