「あー、尚人くん起きた?」
カウンターに戻って来たむっちゃんに声をかけられ、掴まれていた手を反射的に引っ込めた。
幸い、むっちゃんにその場面は見られなかったらしい。「はいお水」と言って手渡されたグラスを、私は内心の動揺を隠しながら素知らぬ顔で受け取った。
「久我さん、お水ですよ」
「うん……」
返事はするくせに、久我さんは私が差し出すグラスを取ろうとはしない。
顔は横を向いてるものの、カウンターの上で重ねた両腕に頭を預けたまま相変わらずぼーっとしているので、水は仕方なくその傍らに置いておく。
これは、相当酔ってる? それとも、ただ単に眠いだけなのかな。
私はこっそり、むっちゃんに耳打ちする。
「久我さんって、今日どれだけ飲んだの?」
「俺が見た限りは、日本酒3合と焼酎のボトル2本。ペース早かったしなんかふさぎこんでたみたいだったから気を付けて見てはいたんだけど、急にパタッと潰れちゃってさ」
「ええ……」
友達みんなとわいわい楽しく、ならまだしも、ひとりでその量は私だって飲んだことない。
再び久我さんに視線を戻せば、彼は突っ伏していた上体を起こし片手で額をおさえるようにうつむいていた。
目元が隠れているせいで、表情はよくわからない。それでも垣間見える横顔に、テレビや先日の試合で見たような覇気は感じられなかった。
……なにか、嫌なことでもあったのかな。
だとしてもこんなふうになるまでお酒を飲むなんてこと、特にスポーツ選手はするものじゃないと思うんだけど。
カウンターに戻って来たむっちゃんに声をかけられ、掴まれていた手を反射的に引っ込めた。
幸い、むっちゃんにその場面は見られなかったらしい。「はいお水」と言って手渡されたグラスを、私は内心の動揺を隠しながら素知らぬ顔で受け取った。
「久我さん、お水ですよ」
「うん……」
返事はするくせに、久我さんは私が差し出すグラスを取ろうとはしない。
顔は横を向いてるものの、カウンターの上で重ねた両腕に頭を預けたまま相変わらずぼーっとしているので、水は仕方なくその傍らに置いておく。
これは、相当酔ってる? それとも、ただ単に眠いだけなのかな。
私はこっそり、むっちゃんに耳打ちする。
「久我さんって、今日どれだけ飲んだの?」
「俺が見た限りは、日本酒3合と焼酎のボトル2本。ペース早かったしなんかふさぎこんでたみたいだったから気を付けて見てはいたんだけど、急にパタッと潰れちゃってさ」
「ええ……」
友達みんなとわいわい楽しく、ならまだしも、ひとりでその量は私だって飲んだことない。
再び久我さんに視線を戻せば、彼は突っ伏していた上体を起こし片手で額をおさえるようにうつむいていた。
目元が隠れているせいで、表情はよくわからない。それでも垣間見える横顔に、テレビや先日の試合で見たような覇気は感じられなかった。
……なにか、嫌なことでもあったのかな。
だとしてもこんなふうになるまでお酒を飲むなんてこと、特にスポーツ選手はするものじゃないと思うんだけど。



