レーザービームの王子様

「……ふ、深町です。介抱してくれる連れもいないのに、何ひとりで潰れてるんですか久我さん。おばかさんですか?」



とっさに憎まれ口を叩きながら、私は上体を起こす。

……いや、正確には起こそうとした。

私が久我さんの右肩に置いていた手を、不意に彼の左手に掴まれたから。驚いて、そのまま固まってしまったのだ。

ドキッと、さっきの比じゃないくらい心臓が大きく高鳴る。



「……なんで、すみれがここに……」



久我さんはまだハッキリ覚醒していないらしく、こちらに向ける目はぼんやりしているし、言葉もなんだか舌足らずだ。

私に触れている彼の手が、熱い。どうしようもなくドキドキしてしまっているせいで、とっさに言葉が出なかった。

けれど私は、自らを落ち着かせるように1度深く息を吐いて。それからなんでもない風を装い、わざとしかめっ面を作る。



「それは、むしろ私が聞きたいくらいです。あなたがたまたま私の名前出したからって、介抱要員としてむっちゃんに呼び出されたんですよ」

「むっちゃん……ああ、青司(せいじ)さんか……」



ぼーっとした様子だけど、一応ちゃんと受け答えはできるみたい。

むっちゃんに続いて、こっちも名前呼び。やはりこのふたり、いつの間にかだいぶ仲良くなったみたいだ。

……というか、あの、手。そろそろ、離して欲しいんですけど。