「うん、取れた」
至近距離に、なんだかちょっと得意げな笑顔。
その整った顔を唖然と見上げていた私は──次の瞬間、火がついたように頬が熱くなるのを感じた。
「ッちょ、っと、離してください……っ」
首を振りながら両手で久我さんの腕を掴み、その手のひらから逃れる。
相手に聞こえるんじゃないかってくらい脈打つ心臓のあたりを、身体を背けつつぎゅっと握りしめた。
そんな私の一連の動作をきょとん顔で見つめていた彼が、不意に吹き出す。
「うそだろ? こんなんで赤くなるんだ?」
おかしそうに言って、にやにや笑いを隠そうともせず見下ろす久我さん。
う、やっぱり顔赤くなってる……?!
だって、仕方ないでしょ?! 幼なじみの総司はともかく、男の人とこんなに接近することなんてめったにないんだから……!
心の底から悔しく思いながら、目の前の人物を忌々しげに横目で睨む。
「今のは立派なセクハラです。訴えたら勝てます」
「そんな全力で照れた顔で言われても説得力ないな。あんた、彼氏いないだろ?」
「セクハラです!」
あくまで厳しい口調で噛みつくけど、顔は熱いままだししかもこの過剰な反応は彼の言葉を認めるようなものだ。
それでも今の私に、そんなことを考える余裕はなく。ただひたすら、自分より30cmは上にある憎らしい男の顔を睨みつける。
「おー怖い。さすが彼氏いない歴イコール年齢の野球好き女子は威嚇の仕方も違うわ」
「なぜそれを?!!」
しかも墓穴掘った。誘導した本人めっちゃ笑ってるし。おなか抱えて笑うとか失礼にもほどがあると思うんですけど。
至近距離に、なんだかちょっと得意げな笑顔。
その整った顔を唖然と見上げていた私は──次の瞬間、火がついたように頬が熱くなるのを感じた。
「ッちょ、っと、離してください……っ」
首を振りながら両手で久我さんの腕を掴み、その手のひらから逃れる。
相手に聞こえるんじゃないかってくらい脈打つ心臓のあたりを、身体を背けつつぎゅっと握りしめた。
そんな私の一連の動作をきょとん顔で見つめていた彼が、不意に吹き出す。
「うそだろ? こんなんで赤くなるんだ?」
おかしそうに言って、にやにや笑いを隠そうともせず見下ろす久我さん。
う、やっぱり顔赤くなってる……?!
だって、仕方ないでしょ?! 幼なじみの総司はともかく、男の人とこんなに接近することなんてめったにないんだから……!
心の底から悔しく思いながら、目の前の人物を忌々しげに横目で睨む。
「今のは立派なセクハラです。訴えたら勝てます」
「そんな全力で照れた顔で言われても説得力ないな。あんた、彼氏いないだろ?」
「セクハラです!」
あくまで厳しい口調で噛みつくけど、顔は熱いままだししかもこの過剰な反応は彼の言葉を認めるようなものだ。
それでも今の私に、そんなことを考える余裕はなく。ただひたすら、自分より30cmは上にある憎らしい男の顔を睨みつける。
「おー怖い。さすが彼氏いない歴イコール年齢の野球好き女子は威嚇の仕方も違うわ」
「なぜそれを?!!」
しかも墓穴掘った。誘導した本人めっちゃ笑ってるし。おなか抱えて笑うとか失礼にもほどがあると思うんですけど。



