レーザービームの王子様

……けどまあ、やっぱりどこか胡散臭いと思ってるし、本心では悔しいんですけどね!


とりあえず言いたいことは口にできた私は、おそるおそる顔を上げた。

こちらの言葉が意外だったのか、驚いた表情で固まっていた久我さん。

だけど私と目が合った瞬間、ふっと、力が抜けたように微笑んだ。



「……うん。そっか」

「ッ、」



不覚にも、彼のその表情にドキッと胸が高鳴る。

な、なんなの、そんな安心しきった緩い笑顔は。意識なんかしてないはずなのに、心臓勝手にときめいちゃったじゃないの。……こ、これだからイケメンはズルい……!



「っと、もうこんな時間か」



室内の壁掛け時計に視線を向けながら、久我さんがつぶやく。

もう22時半過ぎだ。明日からまた仕事だし、のんびりしている時間はない。

というか、私のことより。



「あの……大丈夫なんですか? えっと、ミーティングとか?」

「それは終わってから来たから大丈夫。まあ、この後軽く隣りのトレーニングルーム使って帰るけど」

「へぇ……」



こんな時間にトレーニング……試合の後だから、クールダウンとかいろいろあるのか。大変だなあプロ野球選手も。

しみじみ息を漏らすと、久我さんはそんな私を見下ろして薄く笑う。