レーザービームの王子様

「さっきまで、試合観てみて──どうだった?」

「え、どうって、」

「今日の俺は、プロ野球選手として合格?」

「………」



わけが、わからない。

質問の内容もそうだけど、それ以上に──訊ねながら、どうしてか久我さんが縋るような目を私に向けてくるから、戸惑う。


合格もなにも──まさに今日の試合、彼はヒーローに選ばれていたし、誰の目にもその活躍は明らかだった。

なのにどうして、今さら……しかもたった1度会っただけの私に、そんなことを訊くの?



「……久我さんは、すごい選手だと思います。プレーが上手いのももちろんですけど、練習中とかベンチの中とか、久我さんがいるところはまわりも明るくなってる気がするし」

「………」

「すごいですよ、久我さんは。えっと、あの、居酒屋のあれは……自分の贔屓のチームが負けたから、悔しくて八つ当たりしただけです。……すみませんでした」



たどたどしく答えて、最後にぺこりと頭を下げた。

今言ったことは、全部本当の気持ちだ。観客席から観てても、練習中の外野手たちが仲良さげにじゃれているのは微笑ましかったし、こういうシーンは実際球場に足を運ばないと見られなかったりする。

試合はもちろんだけど、プロ野球選手たちの人間性を知ることができるのが、生観戦の醍醐味だと思う。

久我 尚人は、ファンだけでなくチームメイトたちからも愛されていた。だからこそ、今私は、素直に目の前の人物を褒めることができるのだ。